商品比較と口コミ・レビュー |
フッ素加工=テフロン加工のフライパンとは
「テフロン」および「Teflon」は、
ふっ素樹脂加工を開発したアメリカの大手化学会社 デュポン社の商品名かつ登録商標です。
フッ素加工のフライパンが、世に出て10年以上が過ぎ、
当時は高価だったフッ素加工も量販店では、500円程度からフライパンが購入できるようになりました。
今では殆ど全ての家庭に普及し、
フッ素加工にも色々なグレードが出現し、
もっとも高価なデュポン社の最高級グレードは、「プラチナ・プロ」とされて5千円を超えます。



しかし、「ディナーパン」でも「レミパン」、フッ素加工のコーティングは長くて2年、 酷い場合には半年で焦げ付きが始まり、不要なはずの油の消費を多くさせてしまうものでした。
マーブルコートとは
ここ最近にさかんにテレビCMされている「マーブルコート」「マーブルコーティング」なるフライパンも、
要するにフッ素樹脂加工を裏表両面に施したもので、
結局は半年から2年以内に寿命を迎えます。



これらのフッ素加工の調理器具は、美味しく調理するための道具というよりも、 焦げ付かず、後始末が簡単という省力のための仕様と言えます。
美味しい料理のために
一方、美味しく調理するために必要な仕様というのは、
材料を投入しても温度が下がり難いことが必要です。
温度の下げを最小にすることで、
炒め物がベタベタすることなく、カラッとパリッと仕上がるのです。
例えるなら、麺類を茹でる場面を想像して下さい。
鍋に少量の水を沸騰させても麺を投入すると全体の温度が下がってしまい再沸騰には時間が掛かります。
その間の麺は沸騰温度の100℃ではなく、70~80℃の低温で茹でられるために、
表面がドロドロすることで仕上がりを損なうのです。
一方、たっぷりのお湯を沸騰させてから麺を投入すると、
沸騰が途切れないか、もしくは途切れてもすぐに再沸騰します。
そのため常に高温で茹でられることが仕上がりを美味しくできるのです。
多くの水は、多くの熱量を蓄えられるので、
材料に熱を奪われても調理熱が下がることは無い。
これと同じことが、炒め物をする調理用具にも言えます。
料理器具を熱してから材料を投入した際に、
可能な限り料理器具の熱を下げることなく、調理を継続できれば、
最高の仕上がりが期待できるのです。
その究極は鉄板焼専門店のぶ厚い鉄板であることが、証明と言えるでしょう。
さて、家庭の調理に用いるフライパンに置き換えると、
蓄えられる熱量はフライパンの厚みに依存します。
厚みのあつフライパンほど、余熱時の高温を維持したままに、
調理できるので、炒め物が美味しくできるのです。
厚みのあるフライパンは薄いフライパンと比べて、
余熱で受けた熱量をより多く蓄えられるので、
材料を入れた時の温度低下が少ないのです。
調理器具売場での良いフライパンの選び方は、
単純には、「厚みがあり、かつ、コーティングが良い」フライパンとできます。
美味しいフライパンとは
最近注目されている平野レミさんの「レミパン」、
朝日軽金属「ディナーパン」などは、厚みのあるシッカリしたフッ素加工フライパンであるために、
焦げ付きにくく、美味しく調理できるのです。



ところが、これらのフライパンも表面のコーティングは、一様にフッ素加工が用いられています。
フッ素加工の問題点
さて、このフッ素加工には、安全面での問題が一部で指摘され始めています。
このフッ素コートに関して毒性が報告されています。
豪州消費者協会(ACA)
「極度に高い温度に熱せられた特殊加工フライパンから、 フッ素化合物の一つ、トリフルオロ酢酸(TFA)が放出されるのは事実だ」
デュポン社のテフロン加工フライパンの場合、耐熱温度は260度。
フッ素樹脂が劣化するため空焼き、空焚きは禁止されており、
お玉やヘラも傷を避けるために金属製は禁止で、ナイロン製や樹脂製など軟らかい素材が推奨されています。
しかし、デュポン社のプラチナプロで「高温調理を避け」「金属ベラを使わず」使用しても、
焦げ付かずに気分良く調理できるのは約1年。
その後は油を多くしなければ、焦げ付きがどんどん酷くなっていきます。
高級品も安物もフッ素加工の料理器具は、寿命が1年間と考えるべきなのかも知れません。
美味しい炒め物は高温調理が不可欠にも係わらず、
高温調理が許されない調理器具という存在は根源的な矛盾を抱えているのです。
美味しく安全なフライパン
ところで、「高温調理が可能」「金属ヘラも使用可」「IHヒーターでも使用可」
というフライパンがあります。
鉄製のフライパンです。
特に厚みのしっかりある鋳物のフライパンは蓄えられる熱量が多いので「仕上がりも美味しい」調理となります。
問題は、女性では振れないほどに重いことでした。
重い調理器具は取り出すのも億劫になるので、「重い」というだけで、
よい調理器具とはなれませんでした。
そこに目を付けたのが、名古屋の小さな鋳物メーカーでした。
独自の鋳物加工技術で、熱容量を十分に保ちつつ、「軽い鋳物フライパン」を完成させてしまったのです。
鋳物として型に鉄を流しこむ際の炭素の配合と形状に、簡単にはマネのできない秘密があるそうです。
錦見鋳造株式会社の「魔法のフライパン」です。
http://www.nisikimi.co.jp/main.html
フライパン
![]() |
外径 | 価格(税込) | 重さ | 深さ |
24cm | 8,400円 | 850g | 4.3cm | |
26cm | 10,500円 | 980g | 4.5cm | |
28cm | 12,600円 | 1,150g | 5.0cm |
北京鍋
![]() |
外径 | 価格(税込) | 重さ | 深さ |
27cm | 11,550円 | 1,280g | 7.0cm | |
29cm | 13,650円 | 1,480g | 7.5cm |
2000年ぐらいからテレビで話題の「魔法のフライパン」として紹介されて頃から人気が出て、
当時は1年先まで予約が一杯と騒がれていました。その後「魔法のフライパン」は商標登録され、
さらに人気は上昇したため、2006年には3年半待ちとなってしまいました。
現在でも納期待ちの期間は2年6ヶ月間。本当に待たされるから驚きです。
早く手に入れた人のためにプレミアの付いた高額でオークションに出品される程になっています。
口コミの評判を集めてみても、評価は上々のようでした。
魔法のフライパンの感想
私は3年前に注文して先日にやっと納品されました。
欲しいという物欲されも忘れた頃の納品でしたが、
なんとも美しいフォルムです。
3本を同時に注文したのは、届いた時に誰かにお祝いとして贈ろうと思っていたためでしたが、
丁度お祝い事が続いたので無事に嫁ぎ先が決定しました。
ただし、鉄ゆえの手入れも不可欠だそうで、
使用前に油を焼き付けて表面に油膜を作りこむ必要があるそうです。
これは約1ヶ月に一回だそうです。
使用後は、「錆びる!」ので、乾燥でしょう。
なんといっても鉄の風合いがイイ!
フッ素の害から逃れられるばかりでなく、
現代人が不足しがちになった「鉄分」も調理の度に自動的に補給されるのも関心。
日本人の鉄分不足は鉄のフライパン衰退と時期が同じであることにも納得です。
多少のお手入れの手間は、鉄分補給の代償と思いつつ、
一生モノのフライパンには、愛着が増していくのでした。
多くの人が「3年待ち」にクジケテしまうようですが、
3年後の自分へ、そして、親しい人へ贈り物注文しておくのは、
タイムカプセルのようにも感じられて楽しい買い物となりました。