商品比較と口コミ・レビュー |
フルHDビデオカメラとは
思い出を残すためには静止画を撮影する写真だけでなく、
動画が撮影できるビデオカメラも必須です。
旧き90年代には贅沢品であったビデオカメラも今では格安品から超高性能品まで、
もはや誰でも購入できて綺麗な動画が残せる時代になりました。
ビデオは大手メーカーだけでなく各社から発売されていますが、
画質に拘らない廉価版ならなんと 1万円から入手することもできます。
1. EXEMODE エグゼモード
2. fGREEN HOUSE
3. KENKO 500万画素デジタルビデオ
これらの格安デジタルビデオを詳細を見てみると、 普通のデジタルカメラで動画が撮れるのと大差無いことも事実なのですが、 旧型の地上波に近い画質(VGA=480x320ピクセル)で30分~1時間の録画が可能となっています。
しかし、画質に拘る場合、いや残す画像だからこそ地上波デジタルと同等の画質は確保したいものです。
地上波デジタルは、1440x1000ピクセルの解像度があるため、
これまでの地上波(560x480ピクセル)に比べて格段に画質が向上していますが、
2011年を過ぎれば地上波デジタルの画質水準は、高画質ではなく"普通"になるのは間違いありません。
だから、今撮影して5年後、10年後に残すためには、
最低でも地上波デジタルと同等の画質(1440)以上が望ましいのです。
そうなると、選択対象となるのはやはり大手メーカー品に絞られます。
記録媒体(メディア)
わずか数年前までは8mmやDVなどのテープへの記録が主流でしたが、
今や主流は、パソコンと同じく大容量のHDD(ハードディスク)への長時間録画です。
DVDやBlueRay(ブルーレイ)ディスクへ直接に録画する機種も発売されていますが、
記録媒体がまだまだ高価であることと、必然的に筐体が大きくなることがネックです。
そこで注目を集めだしているのが、メモリ録画です。
デジカメやメモリーオーディオで御馴染みのSDカード(SDHC)やメモリースティックが大容量化した一方で、
動画容量がMpeg 4という新圧縮方式で小さくなったことが大きくなりました。
SDカード無しでも、メモリを最初から内臓搭載している機種もあり、
非常に小型・軽量であるのが特徴です。
賢い選択は、長時間のHDD記録タイプか、小型軽量のメモリ記録タイプかの、2択です。
ここでのお勧めは、メモリ記録タイプが間違い無いと言えます。
1) HDDは壊れやすい
「形あるものは壊れる」のは世の理ですが、さらに電子機器は「肝心な時ほどトラブル」ものです。
対策は施してあるとはいえ、大容量HDDのような精密機械を持ち歩くことは、壊すために持ち出しているに等しい行為です。
最悪の場合にはディスククラッシュの憂き目に合えば、撮り貯めた大切なデータがゴッソリ失われる危険が大きいのです。
もちろんメモリ記録の場合でも壊れる可能性は存在しますが、
HDDのように稼動部の存在したいメモリが故障する確率は、HDDのそれとは比較にならないくらい低いのは明白です。
2) メモリは大容量化するも価格は下落傾向
2000年初頭では巨大容量と思われた1G, 2Gクラスのメモリカードは、今では千円以下で購入できます。
さらに容量は増える傾向で、32GのSDメモリカードも既に市販されており、
これらの価格低下は確実に期待できます。
パソコンの記憶装置も今後はHDDからメモリを用いたSSD(シリコンドライブ)への置き換えが加速するのが確実で、
高価ながらも128GのSSDも既に市販されている現状です。
3) 解像度はフルHD(1920×1080画素)
地上波デジタルを受診できるテレビにも色々ありますが、
現在の高画質タイプ、つまり今後は標準となるであろう画質は、
「フルスペックハイビジョン」と呼ばれる解像度を持つテレビです。
これは単純には画面を構成するピクセルが1920x1080個、つまり約2百万画素で構成されているテレビで、
この水準に達しているテレビならBlueRayディスクの高画質な細部が原画のままに再現することができます。
ビデオカメラにてもフルスペックハイビジョンつまりは1920x1080ピクセルの動画を記録することができる機種を
フルHDビデオと区別して販売されています。
また、その圧縮記録方式の業界標準が「AVCHD」という規格です。
「AVCHD」を採用したフルHDビデオは、SONY、Panasonic、東芝、日立、キャノン等々から発売されていますが、
販売価格はそれぞれ約5~10万円程度(8~15万円から価格低下!)です。
フルHDビデオの比較ポイント
スマイルシャッター・フォーカス
静止画のカメラから派生した技術で画面の中の人物の笑顔でシャッターが切れたり(スマイルシャッター)、
人物の顔にピントを合わせ続ける機能(スマイル・フォーカス)です。
「AVCHD」のフルHDビデオに搭載しているのは、
SONYとパナソニックだけです。
カタログだけを比べると同じような技術に見えますが、実機を比べるとSONYの圧勝です。
SONY CX12では画面中の人物を確実に捕捉して適宜にピント調節してくれますが、
Panasonicは人物の特定が遅いばかりか、すぐに見失ってしまうためピントも遅いのです。
ハイスピード・オートフォーカス
これも光学関連だけのキャノンが最速です。
キャノン iVIS
HF10,
HF100,
HF11
に触れた後では、
SONYでもPasonicでもフォーカスが遅いだけでなく、
前後に行ったり来たりでふらついている感さえ感じてしまいます。
暗所撮影への対応度
暗所での撮影は、CCD, C-MOS等のセンサーの大きさと能力で決まります。 光学に関する部分だけに暗いところでのキャノンの撮影能力は非常に高く評価されています。
カメラ本体での簡易編集
1シーンの撮影後に前後の冗長な部分をその場でカットしたいことは良くあることです。 少なくとも据え置きのHDD録画デッキなら、前後カットや中抜きは簡単です。 しかし、ビデオカメラ、特にAVCHD方式のカメラにはこの作業は非常にハードルが高いそうで、 PanasonicもCanonも簡易編集さえも機能はありません。 前後カットや中抜きが可能なのは、SONYだけであることは大きなポイントです。
超高画質モード=24Mbps
フルスペックハイビジョンの解像度を誇るセンサーで撮影された動画は記録に際しては、
圧縮されて記録されます。この圧縮の品質は事前に設定で変更することができます。
圧縮の割合は、ビットレートと呼ばれる数値で比較できますが、
簡単には1秒間の動画にどれだけのデータ量を費やすのかというbps(= bit per second です。
地上波デジタルの放送は1440xの動画を平均8M bpsで送受信されていますが、
同じ画質をフルHD(1920x1080)で再現するとなると、約16M bpsのデータ量が必要となります。
ビットレートが大きい程に画像は鮮明になるものの、データ量も増大し、
ビットレートを節約して小さく設定すると、データ量は少ないものの、画像が荒れてしまいます。
撮影された動画は圧縮されるための、その圧縮度合いによって、
再生時の画質には差が生じるのです。
現在の最高のビットレート設定は24M bpsで、CANONの最新機種 iVIS HF11のみが採用しています。
かなりの専門家ならまだしも、日常使いには12M bpsでも十分に鮮明な画像とできます。
しかし、頻繁に早く動くモノを対象とする場合には有効です。
その分、録画用メモリの容量を消費するので、撮影用のメモリの換えが必要なだけでなく、
撮影した動画の保管にも相当量のHDDもしくはDVD, BlueRayディスクが必要なことを覚悟しておく必要があります。
比較検討結果
Panasonicの実機(SD5, SD7, SD9)は触れてみても、剛性に欠けた質感です。
何より不自然なまでに強調されたコントラストが一見は目を惹きますが、
暫く冷静に見つめると下品にさえ感じられる色作りです。
価格的には最も安いのですが、スマイルシャッターの精度も悪いため、却下。
SONY
HDR-CX12
はデザインが洗練されていて、質感も良好です。
色彩も多少は派手さが目に付くものの許容範囲。
しかし、どこまでもメモリースティック仕様が引っ掛かりました。
CANONは、一見質素なデザインながらも質感も完璧です。
定評のある高速フォーカスは、個気味よく動いてくれ、
暗いシーンの撮影時も頼りになるCCD性能が魅力でした。
結局、記録媒体=SDカードメモリが決め手となり、SONYしか作っていないメモリースティックは流して、
今や世界標準となったSD, SDHCカードが使い回せるCANONのiVIS HF10を購入しました。
→ キャノン iVISの最安値は?
iVIS HF-10の購入後記
iVIS HF-10の評判どおりの性能に非常に満足できています。
当初はスタンバイ状態でもバッテリーが浪費されることを把握していなかったために、
旅先でバッテリー切れを起こす悲劇に見舞われましたが、
小まめに電源をOffにすれば、かなり改善します。
しかし、今後のことを考えると予備のバッテリーは必須となるでしょう。
唯一に許せない程に不満なのが、編集機能の欠落です。
消去は録画ONからOFFまでの1シーンごとにしてできません。
決定的なシーンを狙って、前後に長回しをしたシーンが存在すると、
前後の無駄な時間が無駄と思って消去しようにも、
1シーン全部を消し去るしかないのです。
SONY HDR-CX12にしか無い機能と知っていたとは言え、非常に不便です。
なお、再生時のテレビへの接続方法で画質は全く違います。
昔ながらの黄色いコンポーネント端子やS端子の接続では、色は褪せ全体がボヤけます。
D端子からの接続でやっとデジタルカメラらしい高解像度の美しい動画が再現できますが、
理想を言えばHDMI端子での結合です。
また、HF10はミニHDMI端子(type C)の位置が不味いです。
しかも規格がミニHDMIプラグ!なので通常のHDMIケーブルは使えず、
変換プラグを使用してもミニHDMI端子の位置が端にあるために、
通常のHDMIケーブルではプラグと本体が接触して接続できません。
一方でCANON純正のミニHDMIケーブルは5千円と安いものではありません。
(HDMI関連商品はライセンス料が高いため、メーカー品は高価になりがちです。)
格安SDカードの販売で有名な「上海問屋」で、激安ミニHDMIケーブル(1,499円 税込/送料別)が発売されたのは朗報です。
2008年夏以降はようやくいくつかの販売店から2000円以下でもミニHDMIケーブルが出回るようになってきました。
いくつかの不都合はあるものの、iVis HF10には大変に満足しています。
コンパクトながらも非常に美しい、バランスの良い画像を撮影してくれる一方で、
暗い場所での撮影にも評判どおりの強さを発揮してくれます。
ハイスピードフォーカスも快適この上ないものです。
iVIS H10(HF100,HF11)はお勧めの買って後悔しないハイビジョンハンディカムですが、
対抗馬とすれば最新機種HF11か、ソニー
SONY
HDR-CX12
が間違い無い選択です。
価格と在庫タイミング、あとは持ったフィーリングが自分に合うかで決めて下さい。
相性の良いカメラなら、何故か手にシックリ来るものですよ。