商品比較と口コミ・レビュー |
地デジのための大画面テレビ
地上波アナログがいよいよ2011年に電波停止されることで、
地上波デジタル(略称:地デジ)のテレビへの買い替えが進んでいます。
もはや家電量販店ではブラウン管テレビの販売は殆ど無くなり、薄型大画面テレビの販売が殆どとなりました。
2008年現在に購入が可能な薄型大画面テレビは方式としては、液晶、プラズマの2方式です。
今後は、有機ELやSED, FEDといった高画質タイプの発売が予定されていますが、
現状では、液晶もしくはプラズマのいずれかを選択する必要があります。
幸いに市場が拡大したことで、価格は非常に安くなりました。
爆発的な普及ラインと言われた1インチ5千円の価格目安は、
機種や購入時期によっては易々とクリアできます。
薄くて大きいだけはなく、美しい画質と便利な機能性で選ぶ時代になったと言えるでしょう。
ハイビジョンテレビの注意点
ただし、解像度だけには注意が必要です。
解像度とは画面を構成する画素(ピクセル)の数に依存しますが、
解像度が大きい程に細かい描写が可能になっています。
逆に言うと細かい映像を写そうとしても解像度が低いと、ぼやけたり、潰れたりして詳細が見えないのです。
地上波デジタルで放送送信されている映像の解像度は1440x720画素ですが、
衛星放送のBSデジタルを受信できる場合には、
NHK, BShi, BS日テレ, WOWOWが「ハイビジョン放送」と表記して1920x1080の高解像度放送を送信しています。
今後主流になることが確定したハイビジョン用のブルーレイ(BD:Blu-Ray)ディスクも1920x1080の画質です。
つまり、今後のテレビは全て1920x1080の解像度を持ったテレビへの移行するのが確実です。
家電売り場では、解像度1920x1080のテレビだけでなく、
解像度1440x720のテレビも「ハイビジョンテレビ」として、安く販売されていることが多いので、
ここは確実に1920x1080の解像度が確保されていることを確認する必要があります。
さて、世間では「液晶のシャープ」、「プラズマのパナソニック」が一番良いような評判が多いようですが、
果たして本当でしょうか?
テレビのCMが多い程に比例して大衆のイメージも良くなるのはテレビ社会の常識ですが、
自身の購入に際しては本質がまた違うところにあることを肝に銘じるべきです。
32インチでは安くとも10万円、憧れの42インチ以上だと20万円~40万円を超える高価な買い物です。
しかも、使用期間は最低でも5年間、調子がよければ10年弱も付き合う品物です。
良くも悪くも今だにテレビは居間の中心に鎮座し、毎日使うものだけに慎重に選んでしかるべきと言えるでしょう。
吉永小百合さんが如何に美しくとも、彼女が宣伝しているテレビも美しいとは限らないのです。
大画面テレビの画質比較
2008年現在に敢えて”機能性を問わない場合"、
最も美しい画質が見られる大画面テレビは、パイオニアのプラズマテレビ『KURO』に間違いありません。
また、液晶テレビならビクターのEXEシリーズの鮮明さと動画解像度が際立っています。
それぞれに、コントラストが強く、明るいながらも、自然な色合いを保持しており、 動画に対しても十分な応答速度なので、どのような映像ソースでも満足な画像を映し出してくれます。
しかし、パイオニアはパネルの社内生産を諦め、パナソニックからの調達へ切り替えることが決定し、 ビクターも欧米でのテレビ生産は継続するものの、日本でのテレビ販売は撤退を決定しました。 2社ともにこれまでのような高品質の製品を継続開発して販売できる可能性は低くなったと思われます。
良い商品を作るだけでは売れないのが、悲しい現実です。
ソニー BRAVIA 〈ブラビア〉
ソニーの色彩の鮮やかさは目を見張るものがありますが、 ソニー独特の色付けは艶かしさを感じる一方で、いやらしくもあるのです。 ソニーの色彩感は一種の宗教的とも言える感性なので、 好きな人は一生ソニー製品を使い続けるほどに気に入る一方で、 好きになれない人は綺麗さを認めながらも、同時に嫌悪感も感じてしまうのです。
シャープ AQOUS 〈アクオス〉
シャープに関しては、国民的な女優 吉永小百合さんを起用した美しく雰囲気のあるコマーシャルに尽きます。 いまや世界最高の液晶パネル製造設備となった亀山工場は、 奈良県の奥地に位置し、製造法に関する特許申請さえも自粛するほどに製造法を社外秘としています。 おかげで、「亀山工場モデル」とのブランドに恥じない素晴らしいパネルが製作させています。
しかし、テレビの画質を左右する三大要素とは、パネル、駆動デバイス、画像エンジンの3大部品です。 パネルだけが良くとも駆動デバイスや画像エンジンの良し悪しによって、画質の良し悪しは完成します。 シャープAQOSは、特に亀山モデルパネルを用いた液晶テレビでは、 ひときわ明るく、鮮やかな色彩が素晴らしいのですが、自然な色合いかと尋ねられると、答えは否でしょう。 全体の明るさとコントラストを際立たせ過ぎて、全体の調査の取れた色彩とは言い難い、 ともすれば不自然な色彩が、明るい画面一杯に展開されています。 購入当初は明るい画面に喜んでいても、やがて不自然な色彩に疑問が沸くのが怖いものです。
パナソニック VIERA 〈ビエラ〉
パナソニックのVIERAは、自慢のプラズマも液晶も共通して 色の鮮やかさの度合いである彩度の異常なまでの強調が、店頭では目を惹きます。 遠くからでも鮮やかに見えるその発色は、ともすればケバケバシイ、下品な色彩です。 特に、赤の表現が許しがたいほどに強調されているため、 現実には有り得ないような「赤色」が画面の至る所に出現します。
売り場では説明員が、誇らしげに画面の鮮やかさと明るさを繰り返し説明していますが、 一見は鮮やかな画面でもここまで色彩を強調しすぎると綺麗なのではなく、いびつな色彩です。 画面をジックリと長時間眺めるような慎重な消費者なら気付くはずですが、 パッと見の迫力に特化したパナソニックの画質設計は消費者を愚弄しているとも言える設計です。 自宅に帰って、後悔する可能性がもっとも高いのではないでしょうか。
日立 Wooo 〈ウー〉
日立の色合いの自然さは定評のあるところです。
売り場では決して目立たない色彩設計のために、地味に見えますが、 その落ち着いた再現力は長期の連続使用にも不満を感じさせません。 しかし、問題点は解像度が低いこと。 他のメーカーが殆どの機種でフルHDパネル(1920x1080)を実現しているにも係わらず、 それよりも低い解像度の製品が多いのです。 フルHDのプラズマパネル製造への投資を計画しながらに延期を重ね、あげくに凍結した名残りでしょう。 ついにはパナソニックからのパネル調達を決定しましたが、 乗り遅れ感は否めません。 大画面プラズマが大安売りされるのは多くの場合、日立の低解像度大画面プラズマなので、 スペックをよくよく確認する注意が必要です。 綺麗な画像を映し出す基礎技術に関しては最も蓄積のあつメーカーなので復権が待たれます。
東芝 REGZA 〈レグザ〉
「HD-DVD」の失敗の記憶は新しいところですが、 実はDVDレコーダー RARDIAでは、マニア向けならぬ、ハードユーザ向けの機能満載機については、 他社の追随を許さない機能性を有していたことは有名です。 もちろん価格も他社の1.5~2倍程度したものですが、 LAN経由でPCと画像を共有したり、携帯からの電子メールで留守録予約が可能であったりと、 便利な機械でした。
残念ながら当分の間は東芝からはブルーレイレコーダーは発売されないようなのですが、 東芝の機能満載精神は、テレビ創りにも脈々と受け継がれているのでした。
それはREGZAのZシリーズというネット接続による汎用外付けハードディスクへの録画機能に生きています。 一見は危なっかしい設定に思えますが、一度設定してしまえば、 難しいこともなく、どんどんHDD容量を増設(最大8台!= 16T= 16000Gバイト!!)できてしまう優れものです。 肝心の映像は不要な脚色や派手さは排除された堅実な画作りで色彩や解像度の再現性も良好です。 番組表の見易さはまさに"秀逸"の域に達しています。
難なのは、デザインでしょう。 リモコンは垢抜けず、使い辛いものです。(ソニーの5.2Ghz無線リモコンには脱帽です) また、フレームももっさりした感じで、 極めつけは中央部の「TOSHIBA」のロゴが致命傷。せめて「REGZA」にしてしまう勇気を持って欲しいものです。 これらに目を瞑れれば、攻撃的な東芝の価格設定と相まって最も魅力的なテレビとなります。
廉価版ですが、32型の東芝レグザ 32CV500 が、実売で10万円を実現した価格破壊を引き起こし 大ブレイクしたのは、ある意味家電業界の2008年最大のニュースだったのです。
地デジを録画するテレビ
今回はテレビだけの買換えだからと、レコーダーの選択を後回しにできたのは、
VHSや地アナDVD-HDDレコーダーの時代のお話です。
地デジは画質が良すぎるために、たちまち古いレコーダーの画像に画面できなくなるはずです。
地デジを見始めて最も変化する習慣は、HDD内臓のDVDレコーダーを使わなくなることなのです。
理由は「画像が荒い」から。
最初は綺麗で鮮明な地デジに感動したものの、それが普通に思えだす頃には、
地アナ画質である古いDVDレコーダーの画質は、酷くボンヤリして色褪せた画像であることに気付きます。
地デジを鮮明なままに録画するためには、
地デジチューナー内臓の最新のDVDレコーダーを購入する必要があるのです。
これまでは東芝REGZAだけだった、「録画できるテレビ」は増えつつあります。
最大シェアのシャープとパナソニックもついにHDD内臓の機種を2008年秋モデルとして発売開始しました。
録画容量を「市販のHDD」で増設できる録画テレビは今だに東芝REGZAレグザだけです。
ここで、東芝REGZAの圧倒的な優位点に感心するはずです。
1. テレビにHDDを買い増しするだけで地デジ録画できる => BDレコーダーが不要に?
2. HDD容量が不足してもHDDを増設できる -> 最大8台= 8000Gバイトも可能!
3. PCと動画が共有できる
Zシリーズと呼ばれる最高峰クラスに搭載されている機能です。
古くは2005年発売のZ1000, Z2000, Z3500, ZH500, ZV500と東芝の最高級液晶シリーズに搭載されてきた機能です。
2008年の最新機種のZ7000、ZH7000にも勿論搭載されています。
もちろん裏番組録画や、追っ駆け再生にも対応しており、
最新機種のZ7000, ZH7000からはDVDやBluRayディスクへのコピーが可能となる"ムーブ"機能が付加されました。
Z7000, ZH7000シリーズからは録画方式がMpeg2からMpeg4へ変更されたため圧縮率が高くなり、
従来のハードディスク容量に比べて4倍近い長時間の録画が可能となっていることも朗報です。
テレビ欄表示
現在発売されているテレビもレコーダーでは、よほどの格安品でないかぎりは、
「テレビ番組表」が画面に表示できるはずです。
その中でも最も簡単で見易いと評論家から一般人まで意見が一致するのが、
東芝の「テレビ番組表示」です。
どう見やすいか一言で述べると、「新聞の番組欄と同じ!」
番組名から番組説明まで大きな文字で鮮明に表示してくれます。
まさにフルHDの高解像度をフル活用した便利な機能と言えます。
録画指定はこの番組表の上でクリックするだけで完了する手軽さは快感です。
東芝REGZAレグザの購入後
REGZAの中身は殆どPCと同じのようで家庭内のLANから自動的にIPアドレスを取得する(IP指定も可)ことで、
LANハードディスクと繋がるようです。
PCのファイル共有と全く同じ原理です。
USB接続ではREGZA専用のフォーマットになるそうなので、PCでの使用はできなくなりますが、
LANディスクなら通常の使用のままで接続できるので、
テレビの録画容量に余裕がある場合には、PCのバックアップ領域としても活用できます。
PC上のMpeg動画再生
また、LANに繋がったREGZAレグザはLAN上の他のPCの共有ファイルを認識させることも可能です。
REGZAはMpeg2デコーダーを搭載しているので、
接続したHDDだけでなくLAN上のPCの共有フォルダを接続設定することで、
PC内の動画(*.mpg)も再生できます。
(DVD内のVOBファイルを1ファイル化した後で*.Mpgへリネームする。
aviファイルはmpg2ファイルへの変換が必要。)
さすがに無線LAN経由では画像表示に必要な通信速度には達しませんでしたが、
普通のHUB(100Mbps)でネットワークを組むだけで、
十分に家庭内の画像&動画共有が完成してしまうのには驚愕を覚えました。
REGZAの写真再生機能
しかし、接続後に最も感心させられたのは購入時には重要視していなかった写真表示機能です。
デジカメをUSB接続でテレビ表示させるのがよくある機能ですが、
REGZAならばデジカメで撮影してきた写真をLANハードディスクに保管することで、
いつでもお気に入りのアルバムとしてREGZAへスライドショー表示できるのです。
大画面で写真を表示できることは想像以上に便利で、上映会が大好評なのです。
しかし、問題は写真の表示速度でした。
昨今のデジカメは1000千万画素クラスを超えていますが、
これらの撮影時の画像サイズが大きすぎて、画像縮小に時間が掛かるようなのです。
フルHDテレビと言えども1920x1080=約200万画素なので、
1枚の写真を表示しようとする度に画像サイズを5分の1にするための画像処理が必要なようです。
思考錯誤の末に辿り着いたのは、予め表示用に縮小画像集を作ることでした。
画像サイズの変更は、デジカメに付属のソフトで簡単に纏めて変換できました。
REGZAレグザが画像処理無しで表示できるように
1920x1080のいずれかのサイズに合わせて縮小した画像(縦1080ピクセルがお勧め)を製作すると、
非常に速く表示されるようになりました。
上映会用の特選写真集として選ばれた画像だけを変換することで、
見る人も(なるべく)飽きない構成にできたのは副産物と言えます。