ソムリエへの道 |
ソムリエナイフ
筆記試験である一次試験に合格すると、実技と口頭試問を伴う二次試験の受験資格が得られます。
ワインアドバイザー、エキスパート資格試験にはありませんが、
ソムリエ資格の二次試験には「サービス実技」が入ります。
試験官の目前で、新品のボトルのシールキャップを切り、「抜栓」し、
コルクチェックの後に、グラスに注ぐ所作までが採点されます。
ここで抜栓に用いる道具=「ソムリエナイフ」は、各受験者が持参する必要があります。
ソムリエナイフはピンからキリまで、今や100円ショップでも売っていますが、
ナイフと言うだけあって、ある程度の切れ味やスムーズさが確保された道具が必要です。
ナイフの高級さが採点されるわけではありませんが、
「お客様」をもてなす技術を採点されるのですから、
切り口が汚い、コルクへの抜き差しがモタつくのは頂けません。
必要不可欠の機能のチェックポイントとしては下記が挙げられます。
- ナイフとスクリューがスムーズに出し入れできること。
- シールをスムーズに切り裂けること。
- 抵抗緩和のためにスクリューに溝加工されていること。
最低限の機能確保が確保されたソムリエナイフは、1500~4000円程度で市販されています。
各ワインスクールでも1500円程度で販売されているので、それを購入するもよし、
ブランドソムリエナイフで気分を盛り上げるもよし。
いづれにせよ使い込むことが大事です。
下記では、お勧めのブランドソムリエナイフを紹介します。
ソムリエナイフの二大ブランド
プロが使っている著名なソムリエナイフと言えば、「ラギオール」もしくは「ライヨール」です。 2文字違いで、どちらもフランスのメーカーですが、全く別会社です。 有名なソムリエはラギオールを使う人が多いかもしれませんが、 どちらも逸品なので品質に甲乙は付け難く、あとは好みで選ぶしかありません。
ラギオール
世界で最初に現在の形のソムリエナイフを製作した老舗ソムリエナイフメーカーで、
シャトー・ラギオール(Chateau LAGUIOLE)が正式名称。
ナポレオン家の家紋であるミツバチの紋章がナイフ背面に刻まれるのが特徴的です。
ハンドル操作が「堅い」との評判があるようですが、
女性にも十分に使いこなせます。
ライヨール
古来にナイフ生産で名を馳せたライヨール村を復興させたメーカーで、
ラギオール・アン・オブラック(LAGUIOLE EN AUBRAC)が正式名称。
デパート、百貨店に展示してあるので見かけることも多いと思われますが、
他に類を見ない流麗なフォルムは美しいの一言。
優秀な道具はデザインも目を引くものです。
オリジナルネーム入れ(名入れ)
注文時に依頼すれば、自分の名前を刻印してくれる「名入れ」のサービスがわずか2000円程度で受けられます。
レーザー加工なので洗っても、磨いても、ほぼ永久に残ります。
漢字(!?)はもちろんNGで、アルファベットに限定されますが、
全体のデザインを邪魔することも無く、愛着を最大限に高めてくれるので、お勧めです。
なお、販売店毎に値段だけでなく、フォント=字体が異なるので、
自分が気に入った字体が刻印できる販売店を選びましょう。
ソムリエナイフの貸し借り
プロのソムリエは、自分のソムリエナイフを人に貸すことはありません。 素人さんに貸すことで力任せに使われると、 頑丈ながらもスクリューの微妙な軸が曲がってしまうことがあるのです。 頼んでも、親しいながらに丁寧に断られるのがオチなので、 一時しのぎに貸与を依頼することが間違いなのです。 愛着が持てるソムリエナイフを使い込むことで、 緊張していてさえもスムーズにサービスできる技量が身に付きます。